住職のつぶやき

 横浜市全区で待機児童0という嬉しいニュースを5月下旬テレビで見たが、時を同じくして、この話と相反するかのようなニュースも見た。それは特別養護老人ホームへの待機高齢者が、東京都杉並区だけでも2000人いるというニュースである。我が秋田県も2040年には人口70万人割れが到来するという。また現在秋田市だけでも3041棟(25年6月1日現在)の空き家があるそうだ。更には追い打ちをかけるかのように、6月6日のさきがけ新聞朝刊のトップに、「全国ワースト、本県出生率は18年連続、自殺、婚姻、がん死亡率脱却できず」との見出しで、2012年生まれた子供は6543人で前年比115人の減。逆に亡くなった人は前年より214人増えて14856人。死亡者が出生者の2倍以上になっており、人口減の要因になっている。という内容の記事が掲載されておりました。


 人口減が県勢(経済界・産業界・農林水産漁業界・スポーツ界・教育界・宗教界)と各界の衰退を招く要因になっているのは今更申すまでもなく、大学卒業者・専門学校卒業者が学問を修めた後、安心して故郷へ戻れるような環境づくり・安心して家庭をもてる環境作り等、早急に政策を構じないといけません。


 本田技研創業者の本田宗一郎氏は「チャレンジして失敗することを恐れるよりも、何もしないことを恐れろ。」と言っておられます。
 また作家の加賀乙彦氏は「成功の反対は失敗ではなく、挑戦しないこと。」と言っております。
成功の裏には数多くの失敗がつきものです。失敗を恐れていたら、何も行動できません。やらないで後悔するよりも、やって後悔した方がまだ経験や結果が残ります。各分野に於いて失敗を恐れず果敢にchallenge・action(行動)を起こしてもらいたいと切望しております。ささやかな成果の積み重ねが成功への最短の道のりだと思います。現実から目をそむけず、Negative(後ろ向き)よりpositive(前向き)に現実と向き合って欲しいと願う今日この頃でもあります。


 私ごとで恐縮ですが、昨年は住職就任10年という節目の年。そして先代が遷化するという年でしたが、粛々と山門前土地駐車場整備・金色大仏遷座工事・歴代廟墓造成移転工事・合同塚「法縁廟」建立・本堂仏具(黒塗り)等の事業を進めてまいりました。そして本年は、客殿を葬祭場「蓮桜殿」にイメージチェンジ工事・外塀改修工事・位牌場仏壇整備を順調に進めております。更には先代日龍上人の御報恩として、我々の信仰対象一丁目一番地である御宝前正面に、ご本尊を安置する多寶塔建立も檀信徒の協力を得ながら着々と進めております。「チャレンジして失敗することを恐れるよりも、何もしないことを恐れろ。」「成功の反対は失敗ではなく、挑戦しないこと。」を実践しながら充実した日々を送らさせて頂いております。
 どの道を選ぶにせよ、恐らく茨の道が待っている(人生は苦なり)だろうし、数多の試練・困難が待ち受けていると思います。自分の将来歩むべき道を自分の意思で選択しGoing my way、様々な苦を耐え忍び生きていくことが肝要なことだと思います。またしっかりとした強盛な信仰心をもっていれば、変化の人が現れて護って下さり、神仏の実在性に気付かされる体験もすることでありましょう。  合掌